2月13日付米Wall Street Journal紙とNew York Times紙は、それぞれ社説を掲げ、G7財務大臣・中央銀行総裁会議が為替レートは市場が決めるべきであるとの声明を出したが、米国を始め各国は金融緩和策を取り、通貨切り下げ戦争が世界的に起こる危険性がある、と懸念を表明しています。
すなわち、Wall Street Journalによると、G7財務大臣・中央銀行総裁会議声明は、為替レートは市場が決めるべきであると言った。しかし、通貨には自由市場などない。通貨は国が独占的供給者である商品で、政府と中央銀行が供給を管理することにより、その価値に影響を与えることが出来るものである。
G7が通貨問題を取り上げた直接の原因は、日本が最近通貨の切り下げ競争に参加したことである。円の対ドルレートは2009年から2012年の間に25%以上高くなり、その後急落している。安倍総理が中央銀行の独立性に政治的に介入したのは遺憾であるが、総理は他国の先例に倣ったに過ぎない。
金融危機以来、全ての主要国の中央銀行は国内経済政策の代理人となった。米連邦準備理事会が先頭を切り、5年以上ほぼゼロの超低金利策を実施するとともに、「量的緩和」を繰り返した。
ブレトン・ウッズ体制崩壊後の42年間、世界の指導者は輸出を増やすために通貨を切り下げてきた。
もしG7の財務大臣が、通貨市場の「過度の変動や無秩序な動き」を真に防ごうと望むなら、各国の金融政策を共同して調整し、より安定した為替レートを維持すべきである。それには指導力、特に米財務省の指導力が必要であるが、オバマが任命した新財務長官は金融の経験に乏しくそれは期待出来ない。各国は、それぞれの通貨政策を取り、通貨は弱ければ弱い方が良いということになってしまいそうである、とWSJの社説では述べられています。
また、New York Timesによれば、G7財務大臣・中央銀行総裁会議の声明は、経済が停滞している国が輸出振興のために通貨引き下げを行なうことへの懸念を沈める効果があるかもしれない。
日本の安倍総理は、デフレ脱却のため、景気刺激策と日銀による金融緩和策を推進しているが、これは円安を目的としているとの批判に対しては否定している。