会話を重ね、尹政権が労働者問題等を如何に解決しようとするのか、暫く見守ることが重要である。大統領の任期は一期限り5年なので、時間はあまりない。任期の早い時期(任期前半)に基本的な日韓改善を図ることが必要である。
側近には知日派がそろう
対北朝鮮関係についても尹錫悦は、対北対話一本槍ではなく、国防強化・会話維持のツー・トラック・アプローチで行くとインタビューで述べている。長距離ミサイル発射と核実験のモラトリアムを反故にしたことと、超極高速ミサイルの実験をしたことの二つを理由に挙げ、「北を主たる敵と呼ぶ」と明言した。この方針に違和感はない。
尹錫悦は、首相に韓悳洙(元首相)、外相には朴振(元外交部、議員、知日派)を指名した。やや地味な印象はあるが、期待したい。側近には経験深い知日派が入っている(尹徳敏や朴喆熙等)。
他方大統領選挙から撤退、尹錫悦支持に回った安哲秀(政権引き継ぎ委議長)の役割が不明確であり、今後の政権安定のリスクにならないか心配される。更に革新が過半数を占める国会との関係が懸念される。
4月24~28日に、尹錫悦は日本に代表団を派遣し、代表団は岸田文雄首相とも会見した。日韓に困難な懸案がないような振りは出来ないが、良い始まりになることが期待される。