志を同じくする仲間と組む
今年秋からは横須賀市でライメックスと廃棄プラスチックのリサイクルプラントの運営を開始する。
「日本の廃プラのほとんどは、サーマルリサイクルという形で、熱源利用されている。そうした中で、今年4月にはプラスチック資源循環促進法が施行され、35年までには全ての使用済みプラスチックをリユース・リサイクルで有効利用するという目標が定められるなど、状況が変わろうとしている。
サーキュラーエコノミーを牽引していくような、その仕組みづくりをわれわれスタートアップがやろうという決意のもと、廃プラのマテリアルリサイクル事業を行う決断をした。まだ、実験段階ではあるが、ライメックスの原料に廃プラを利用できるように開発を進めている。横須賀のプラントでは使用済みのライメックスの回収も行う。ライメックスとプラスチックのマテリアルリサイクルを両立させるモデル工場として確立させ、近い将来には、全国、海外への展開をしていきたい」
一方で、ライメックスの利用拡大、普及が課題になる。
「既存の紙やプラスチックの代替となるので、既存の仕組みやルールの視点から、認めてもらえないなどの場面もある。カテゴリーがなかった新素材を生み出したのだから当然で、自分たちで標準化に向けた規格づくりを進めたり、リサイクルできる素材であることを証明するために回収と循環の仕組みづくりに取り組んだりしている。
昨年7月には、韓国のSKグループから出資を受けた。どこの国の企業と提携するかということに意味はない。大事なことは志を同じくする仲間と組むことだ。SKグループとは、ジョイントベンチャーを設立し、付加価値の高い『生分解性』のライメックスの開発を共同で進めている。生分解性の普及に舵を切った中国をはじめ、回収のインフラが整っていない東南アジア市場への展開も一緒に進めていきたい」