5月9日に終了した文在寅政権は根拠のない対北融和と配慮に終始したが、5月21日のバイデン・尹錫悦首脳会談では米韓合同演習の強化や日米韓協力強化が明白な形で打ち出された。良いことだ。尹錫悦政権の対北政策が文在寅前政権と基本的に異なることが実際に明白になってきた。
米国はロシアだけでなく、北朝鮮へも情報戦
韓国においても、日本においても抑止力強化を求める意見が強まっている。北朝鮮が小型核兵器の開発に乗り出している兆しも窺われ、使用しうる核兵器となる戦術核の開発は大きな懸念であり、注意を要する。5月21日の米韓首脳会談や5月23日の日米首脳会談による同盟関係の強化は、中国や北朝鮮、ロシアに強い印象を残しているものと思われる。
米国のサリバン国家安全保障問題担当補佐官は、5月18日の記者会見で、北朝鮮がバイデンの日韓歴訪に合わせて「長距離ミサイルを含むミサイル実験や核実験、あるいはその両方を行う可能性を示す情報がある」ことを明らかにした。米国はロシアだけでなく北に対しても情報戦に転じているように見える。
ロシアのウクライナ侵攻を注視しているのは習近平だけではない。金正恩も注視しているだろう。核の有用性と必要性を改めて認識しているに違いない。ウクライナが核を維持していれば、ロシアによる侵略は阻止することが出来たと見ているのではないか。なお、冷戦終了後から北朝鮮はロシアに加えウクライナからミサイル科学者等を高給でスカウトし、核・ミサイルの開発を推進したと言われる。