北朝鮮では新型コロナが感染爆発を起こしている。しかし、そうした中でもミサイル発射実験は続いている。5月25日には、北朝鮮は、ICBMを含むと見られるミサイル3発を日本海に向けて発射した。
5月21日、ソウルでの米韓首脳会談後の記者会見でバイデンは、北朝鮮にコロナ支援を申し出ているが、「北からの返答がない」と述べた。尹錫悦も北に支援を申し出た旨述べた。日本も同様の申し出を何らかの形で伝えていたとしても驚かない。林外相は5月22日、北とは国交はないが「放っておけない」と述べ、支援の必要性を指摘した。
金正恩は、問題の深刻さと自国の能力をあっさり認め、コロナに関する国際支援を受けるべきだ。それが合理的な国家選択だ。
そもそも、今の北東アジアの情勢を見ても、北は軍事と民事への資源配分が基本的に間違っている。北は益々孤立し、取り巻く状況が悪化していることは、金正恩もある程度知っていると思われるも、唯一それを阻んでいるのは、レジーム堅持の不安であろう。
他方、金正恩が突然に感染拡大を認め、感染数字まで発表していることについては、その統計の信ぴょう性と北の意図につき分析が必要であろう。感染拡大は実際には4月以前に起き、それを今発表したのではないかとの見方もある。
北には、制裁を維持し、外交と抑止を継続していくべきだ。外交が作動せず、北が軍事力強化を続けているので、西側も抑止力を強化していかざるを得ない。