米国は、バイデン大統領とサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子(MBS)の会談を実現し、両国関係を修復する方向に動いている。
バイデンは大統領選の選挙戦中、人権問題やイエメン内戦への介入を理由に「サウジアラビアを『のけもの』にする」と述べた他、就任初期にはMBSを直接の交渉相手にすることを拒否するなどして、両国関係は険悪なものとなっていた。その結果、怒ったMBSはその後のバイデンからの接触を拒み、原油を増産して原油価格の高騰を緩和することを求める米国の要請を黙殺していた。
しかし、5月19日、CNNはバイデン大統領が来月の外遊中にMBSとの初めての会談を行う可能性があると報道した。その会談はリヤドにおける湾岸協力理事会(GCC)の会合と重なるであろうとも報道した。バイデン大統領と湾岸諸国の首脳が一堂に会する可能性を示唆したものであろう。
米国とサウジアラビアの関係修復を実現するための舞台裏の動きが続いているが、5月17日のハーリド・ビン・サルマン王子(国防副大臣)の訪米がその下工作のための重要なものであったことは間違いない。彼はサリバン補佐官、ブリンケン長官、オースティン長官など政権中枢と会談した。