6月23日付のワシントン・ポスト紙で、同紙コラムニストのザカリアが、国内支持率が低迷するバイデンは文化の闘いでもっと得点すべきだと述べている。
ザカリアは、バイデンの支持率が上がらない理由について次の二点を指摘する。
第一に、民主党左派は、常に現職大統領に不満を持ち、大統領に反乱してきた。ザカリアは、左派は民主党内で常に大きい勢力だった(ジョンソン時代のハンフリー、1970~80年代のテッド・ケネディ等)、それが民主党の歴史だと言いたいのだろう。納得できる。
第二に、「国民は、経済の先行きが不確実であっても、経済について左傾化することはせず反対に文化について右傾化する」、国民に語る時「左派は、先ずそれは文化的に革命的でないことをはっきりさせねばならない」、「民主党左派は社会問題を語る時「ラティンクス」や「有色人社会」等といった言葉を使い多くの国民を疎外する」、「民主党は屡々最も左の支持者に応えようとするので、町の平均的な人々を疎外する」と指摘する。
その上で、バイデンは左派の過激な社会政策や文化政策につき「クリントンやブレアのように党内の人々と対決したこともない。更にバイデンはこれらの問題に関する自分の立場を伝えようと意図したこともない」と指摘する。党内左派のカルチャーやバイデンの「対決」欠如の指摘は当たっていると思う。
「対決」の必要性の指摘はよく分かる。特に貿易について左派や議会と対決すべきだった。問題を避けていては、前途は開けない。
バイデンは、議会人なるが故に対決よりも取引をやりたいのかもしれないが、やはり一度はきちっと対決すべきだ。大統領になった以上、国民を相手にし、党内左派よりも国民を恐れるべきだ。そうすることによって彼のアジェンダや理想が一層明確になる。