乗り越えるべきトランプ再選阻止の代償
米国人はそのような大統領を尊敬し、好むだろう。米国の大統領には本来それだけの威厳がある。大統領らしい大統領への国民的願望は依然として残っているのではないか。
しかし、バイデンに同情するのは、民主党予備選の段階で、左派の協力に大きく依存しなければならず、左派に人事などで譲歩せねばならなかったことだ。現政権にとり、人事や政策で左派の影響は避けられないことになった。それが現政権の制度に埋め込まれてしまっている。
このことはトランプ再選を阻むためのやむを得ない代償だったかもしれない。しかしそれでも大統領になった以上、バイデンは自己を変え、もう少し変革型な大統領に変わり、主導して欲しいものだ。
ギャラップ調査によれば、6月のバイデン支持率は41%だった。最高は政権発足前後で、それでも57%である。
11月の中間選挙まで後4カ月を残すのみとなった。有権者の間には、外交に加え、経済が大きなイシューになっていると思われる。外交での果敢な努力と同じように、経済についてもう少し果敢にやる方が良いのではないか。大統領が努力していることを国民に見せつけることが重要ではないかと思われる。