無党派層は家宅捜索をどうみているのか?
では、無党派層は今回のFBIによるトランプ邸宅家宅捜索をどう捉えているのだろうか。モーニングコンサルトと米政治専門サイト「ポリティコ」の共同世論調査(22年8月10日実施)によれば、無党派層の47%が「支持する」、32%が「支持しない」と回答した。支持が不支持を15ポイントも上回った。
また、権力乱用に関して無党派層の39%が「権力乱用である」、42%が「権力乱用ではない」と答えた。「権力乱用ではない」が3ポイントリードした。無党派層はFBIによる家宅捜索を支持している。
経済誌エコノミストと調査会社ユーゴヴの共同世論調査(22年8月13~16日実施)では、「仮にトランプ前大統領が私邸に持ち出した公文書の中から、核兵器関連文書が見つかったら、彼の行動を支持しますか」という質問に対して、無党派層の17%が「支持する」、53%が「支持しない」と回答した。こちらは、「支持しない」が「支持する」よりも、36ポイントも高い。つまり、
ちなみに、20年米大統領選挙でトランプ氏に投票した支持者は、同じ質問に35%が「支持する」、36%が「支持しない」と答えた。僅か1ポイントだが、支持者の間でもトランプ氏の行動を「支持しない」が「支持する」を上回った。機密文書の中でも最高位の機密隔離情報(Sensitive Compartmented Information: SCI)に当たる核兵器関連文書の持ち出しは、トランプ支持者でさえ約4割弱が容認しない。FBIが核兵器関連文書の持ち出しを発表すれば、トランプ氏にとってかなりの痛手になりそうだ。
トランプ前大統領は「米司法省」「チェイニー氏」および「無党派層」にどのように対処するだろうか。再選を目指すトランプ氏の「頭痛の種」になっている。