2024年4月27日(土)

うつ病蔓延時代への処方箋

2013年5月8日

 人は年齢に関係なく、副交感神経を刺激する周波数に対し生理的に反応します。音に対して好き嫌いに関係なく直接的な生理反応を示すのです。これは条件反射と同様の行動と考えればわかりやすいと思います。人だけでなく、すべての動物にもあり、植物にもあります。現在も実験を続けていますが、植物の種子に音楽を聞かせると発芽と発根が通常よりも早いという結果が出ています。耳の無い植物がどうして、と思われるでしょうが、周波数は空気の振動ですので、耳は無くても細胞の水が直接感じとることができるのでしょう。この解明は今後、進んでいくと思います。

―― 今後、研究成果をどのように普及させ社会に役立てていく考えですか。

和合:高齢者向けの施設を訪問し、認知症や誤嚥下障害による肺炎予防、ドライマウスの改善、リンパ球機能の向上などに役立つ音楽療法を展開していきたいと思います。従来の歌を唄うだけではなく、一定の方法で聴いてもらうことで高齢者の健康維持に役立てたい。職場のメンタルヘルス対策では、USENさんが行うオフィスで流すBGMのオリジナル曲づくりに協力しています。

 職場が交感神経優位の状況を作り出しているのですから、集中して仕事をしたら、少しの休憩時間に副交感神経を刺激する音楽を聴くことは、効果があります。うつ状態に陥らない予防という面で、多くの企業が採用していけばいいのですが。店舗と違いオフィス内でBGMを流すことに抵抗がある企業が未だに多いのが現実ですが、そんなことを言っていられる状況ではなくなってきているのではないでしょうか。

[特集] 「心の病」にどう向き合うべきか?


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