昔懐かしい田園風景や人々の暮らしを詩情豊かに描いた川合玉堂(かわいぎょくどう)。日本の原風景ともいうべき作品は、今も多くの人々を魅了してやまない。今年生誕140年を迎えるのを記念し、その画業を振り返る展覧会が山種美術館で開かれる。
山種美術館所蔵
会場はテーマごとに分かれた3部構成で、“研鑽(けんさん)の時代(青年期から壮年期へ)”では、明治40(1907)年の東京勧業博覧会で1等賞を獲得した出世作「二日月」(前期のみ)をはじめ、人々の暮らしの情景を写実的に描いた「焚火」(後期のみ)、琳派風の「紅白梅」などを展示。当時の写生帖も初公開され、玉堂の創作の過程をうかがい知ることができる。
また、“玉堂とめぐる日本の原風景”では、田植え作業を主題にした「早乙女」など、古き良き時代の風景と出会える。玉堂が生涯で最も数多く手掛けた題材である、鵜飼を描いた作品も興味深い。
さらに “玉堂のまなざし” では、横山大観の「松」、玉堂の「竹」、竹内栖鳳の「梅」で構成される「松竹梅」連作も展示、改めてその作風の奥深さに触れてみたい。
生誕140年記念 川合玉堂 ─日本のふるさと・日本のこころ─
<開催日>前期6月8日~7月7日、後期7月9日~8月4日 *会期中、一部展示替えあり
<会場>東京都渋谷区・山種美術館(山手線恵比寿駅下車)
<問>山種美術館☎03(5777)8600
http://www.yamatane-museum.jp/exh/next.html
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