実のところ台湾のEV保有者の80%は主に自宅で充電しているようだ。スマートフォンの利用者が、夜中の寝ている時間に自宅で充電し、いざという時、携帯バッテリーなどで補うのと同じで、大多数の保有者は、緊急時のみ公共の充電所を使っているようだ。
ただ、自宅マンションの駐車場などへ充電器を設置するには、電線の引き込みやメーターの設置が必要だ。火災などを恐れて近隣が強く反発するのが通常で、EVの販売業者にとり頭の痛い問題となっている。関連法規の制定がEV普及に追いついていないが、自宅への充電施設設置が進まないとEVは広まりにくい。
電力の安定供給も課題
また、台湾では、発電設備のトラブルなどによる大規模停電が過去2年で3度発生しており、再発防止が課題となっている。自動車の完全電動化は、電力の安定供給が前提だ。
停電の頻発は、再生可能エネルギーへの過度の依存が原因との指摘もあり、現在の国家目標である脱原発政策の再検討を求める声も再三挙がっている。だが蔡英文政権は今のところ、脱炭素、脱原発、EV化の三兎を追う姿勢を崩していない。