2024年7月18日(木)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2013年5月27日

 日本が集団的自衛権の解釈を変更し、防衛力を増強することは、中国としては国益上反対でしょうが、米国にとっては、疑いなく良いことです。中国として唯一の反対の手段は、それを日本の右傾化の一部とすることであり、韓国もそれに追随するので、その意味で靖国問題などの扱いには慎重を要し、今までの安倍内閣の言動は十分それを勘案しているものと考えられます。

 安倍総理が、今まで、靖国参拝を後回しにして来たことは正しい選択であり、日米同盟の強化が先決です。現に、小泉内閣はブッシュのイラク介入を率先して支持し、協力して、強固な日米関係を固めてあったので、何度靖国に参拝しても、日米間の問題にはなりませんでした。

 問題は、総理の発言が適当だったかどうかですが、本質は譲りようのない問題ですので、手続き的戦術的に適当だったかどうかの問題になります。「侵略の定義」の問題は、国連でさんざん議論された手垢のついた問題であり、賛否いかなる論もあり得るので、これに捲き込まれるのは避けた方が良かったかもしれません。

 竹下総理の頃までは、「後世史家の判断に委ねる」で通りましたが、「侵略の定義」の議論に捲き込まれると、そこへ戻れなくなってしまいかねません。

 いずれにしても、戦術的な問題であり、外国の新聞は直ちに過剰な反応を示しましたが、日本国内ではさして問題とはなっていないのですから、今後とも無用な発言は控えて、粛々と日米同盟強化にまず手をつけるべきだと思います。

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[特集]靖国参拝をどう考えるか

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