2024年4月21日(日)

World Energy Watch

2013年5月31日

・国内エネルギー市場の完成
・イノベーションとインフラ設備への投資。
・エネルギー効率化
・再エネをさらに安く開発
・供給源多様化

 また、会議後次のように述べている。「欧州が直面している戦略的なエネルギー問題を解決するシルバーバレット(簡単な解決策)はない」。

不透明感が増す欧州の再エネ政策

 ビジネスヨーロッパが指摘するように、欧州のエネルギーコスト増加の一つの原因は再エネ導入に対する支援のためだ。ドイツでは、経済発展が遅れている旧東ドイツ地区を中心に固定価格買い取り制度に反対する人も増えてきた。そんななかで9月に総選挙を控えたドイツでは、電気料金抑制のために再エネの買い取り価格を遡及して減額する政策まで議論されるようになってきた。

  EUサミットの前にはフランスのエネルギー企業GDFスエズCEOのEUのエネルギー政策を強烈に批判するインタビューが仏ル・モンド紙に掲載された。CEOの主な発言は次の通りだ。

 「今までのエネルギー政策は失敗だ。EUは気候変動政策、競争力改善、供給の安全保障の3点で失敗している。欧州のエネルギー産業の一部は破壊されつつある。政策、目的、手段を再度定めることが急がれる。業界は補助金を要求しているのではなく、透明性のある、安定的な、欧州で均一なルールを求めている。現在ガス火力は4日に1日しか動いていないが、米国のシェールガス革命により価格が下がった米国炭によって石炭火力はフルに動いており、環境問題を生じている。政府の補助金により再エネは過剰設備になり、供給過剰になっている。ガス火力が供給力を失い、不安定な再エネが増加したために、停電の可能性はかってないほど高まっている」。

 このインタビューに関し質問を受けた仏オランド大統領は、概ねGDFスエズCEOの見解に同意するとし、「再エネについて、EU内での一致が必要」と答え統一的な再エネ政策に言及している。欧州ではエネルギーコスト引き下げの議論は、再エネ政策の見直しを含め、続きそうだ。

成長戦略の鍵はエネルギー政策

 欧米が製造業の競争力強化のためにはエネルギーコストが鍵と考えているように、世界の先進国の成長戦略のキーワードはエネルギーだ。安く競争力があり温暖化対策にも有効なエネルギーを如何に獲得するか、日本も早く骨のあるエネルギー政策を打ち出す必要がある。このままでは、成長戦略とそれを支えるエネルギー政策を進める欧米の後塵を拝し、日米欧三つ巴の競争の中で敗れてしまうことになるだろう。エネルギー政策がなければ、成長戦略も絵に描いた餅に終わることは言うまでもない。


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