これまで台湾では、中国が近づくほど、台湾は離れようとして、すれ違いになることが繰り返されてきた。中国は、先の共産党大会で、党幹部・軍幹部人事に台湾を知悉した人材を配置する「台湾シフト」を組み、台湾統一への並並ならぬ意欲を示した。
台湾問題の解決を、習近平政権はこれからの5年、10年での優先事項としていることは間違いない。そのなかで、今回の民進党の苦戦という「チャンス」をどう生かすか、北京は知恵を絞って行動に出てくるだろう。
蔡英文総統に秘策は
今回の選挙の結果についても、基本的に中国ファクターは決して大きいとは言えない。長期政権への飽きやコロナによる経済低迷への不満など、内部要素が影響した要素が大きい。
民進党の支持層である若者が、今回は民進党に投票せず、民衆党など他政党に票が流れているとも言われる。まずは選挙の最終盤でどこまで民進党が巻き返せるのか、これまでの2期の任期中に培った蔡英文総統の実力が試される形になっている。
『Wedge』2022年11月号で「台湾統一を目論む中国 「有事」の日に日本は備えよ」を特集しております。
今年8月のペロシ米下院議長の訪台に、中国は大規模な軍事演習で応えた。「台湾有事」が現実味を増す中で、日本のとるべき道とは何なのか。中国の内情とはいかなるものか。日本の防衛体制は盤石なのか。トランプ政権下で米国防副次官補を務めたエルブリッジ・コルビー氏をはじめ、気鋭の専門家たちが、「火薬庫」たる東アジアの今を読み解いた。
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