2022年12月9日(金)

野嶋剛が読み解くアジア最新事情

2022年11月24日

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野嶋 剛 (のじま・つよし)

ジャーナリスト

1968年生れ。ジャーナリスト。上智大学新聞学科卒。大学在学中に香港中文大学に留学。92年朝日新聞社入社後、佐賀支局、中国・アモイ大学留学、西部社会部を経て、シンガポール支局長や台北支局長として中国や台湾、アジア関連の報道に携わる。2016年4月からフリーに。著書に『イラク戦争従軍記』(朝日新聞社)、『ふたつの故宮博物院』(新潮選書)、『謎の名画・清明上河図』(勉誠出版)、『銀輪の巨人ジャイアント』(東洋経済新報社)、『ラスト・バタリオン 蒋介石と日本軍人たち』(講談社)、『認識・TAIWAN・電影 映画で知る台湾』(明石書店)、『台湾とは何か』(ちくま新書)。訳書に『チャイニーズ・ライフ』(明石書店)。最新刊は『タイワニーズ 故郷喪失者の物語』(小学館)。公式HPは https://nojimatsuyoshi.com

 これまで台湾では、中国が近づくほど、台湾は離れようとして、すれ違いになることが繰り返されてきた。中国は、先の共産党大会で、党幹部・軍幹部人事に台湾を知悉した人材を配置する「台湾シフト」を組み、台湾統一への並並ならぬ意欲を示した。

 台湾問題の解決を、習近平政権はこれからの5年、10年での優先事項としていることは間違いない。そのなかで、今回の民進党の苦戦という「チャンス」をどう生かすか、北京は知恵を絞って行動に出てくるだろう。

蔡英文総統に秘策は

 今回の選挙の結果についても、基本的に中国ファクターは決して大きいとは言えない。長期政権への飽きやコロナによる経済低迷への不満など、内部要素が影響した要素が大きい。

 民進党の支持層である若者が、今回は民進党に投票せず、民衆党など他政党に票が流れているとも言われる。まずは選挙の最終盤でどこまで民進党が巻き返せるのか、これまでの2期の任期中に培った蔡英文総統の実力が試される形になっている。

 
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