2024年11月22日(金)

2024年米大統領選挙への道

2023年1月10日

「MAGA対MAGA」と「MAGA対反MAGA」

 前回の中間選挙で、共和党下院は多数派になったのにも拘わらず、今回の議長選出において米国民に対して、党内を統治できない実態をさらした。

 今後、マッカーシー下院議長は、MAGA系の造反議員から譲歩を迫られ、法案の通過が困難な状況に陥ることが予想される。強いリーダーシップを発揮できない可能性が高い。

 ただし、ウクライナ支援に関しては、マッカーシー氏は「見直し論者」で、造反組の中心人物であるゲーツ氏は「打ち切り論者」である。ウクライナ支援は継続するかもしれないが、両氏の意見が反映されると、支援のタイミング、スピード並びに、供与する兵器の質と量において変化が生じるかもしれない。当然であるが、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領にとって、造反組の影響力が増すことは、決して歓迎できない。

 上では「MAGA対MAGA」について述べたが、共和党内にはすでに、「MAGA対反MAGA」の対立構図が存在していることも看過できない。

 東部ニューハンプシャー州のクリス・スヌヌ知事および南部ジョージア州のブライアン・ケンプ知事(共に共和党)は、トランプ前大統領に批判的な反MAGAである。次の2年間、「MAGA対MAGA」と「MAGA対反MAGA」の2つの対立構図がある中で、共和党は党内の「統一」がかなり困難になりそうだ。


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