さらにウクライナ戦争が熾烈を極めている時に、平和的にウクライナ危機を解決する建設的な役割を果たすという習近平発言は何を意味しているのか、理解に苦しむ発言である。
国際法や正義の尊重の姿勢を持たない中露
要するに、制裁で困っているロシアの足元を見て、石油・ガスを安価に入手し、中国と米国との関係が悪化する中で、ロシアとの関係を良好に維持することを狙い、中国の国益を最大化しようとしているだけである。国際情勢の健全化や国際関係の公正・公平化には言葉の上では言及しているが、そこに重点を置く姿勢は一向にないといってよいと思われる。
中露はともに猜疑心の強い国である。今の状況では、両国ともお互いに良好な関係を維持することが得策であると考えていると判断してよい。
中露両国には国際法や正義の尊重の姿勢はなく、状況対応主義以外の原則はないのではないかと思われる。この中露が国連の平和機能の中心である安全保障理事会で拒否権を持つ常任理事国であることは、大きな問題である。
両国が状況対応主義で国際法や正義の尊重の姿勢を持たないならば、ロシアと中国には、力を重視した対応以外にうまく対応するやり方はないと考えられる。言い換えると、両国に力による現状変更を思いとどまらせるためには、当方も力を重視していく以外に手はないように思われる。