2023年2月2日(木)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2023年1月18日

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Oleksii Liskonih/Gettyimages

 2022年12月31日付の英フィナンシャル・タイムズ紙に、同紙モスクワ支局長のマックス・セドンと同紙中国テクノロジーリポーターのライアン・マクモロウが、「プーチンと習近平が2国家関係を深化させることを誓う」との記事を書いている。

 プーチンと習近平は12月30日のビデオ会談でプーチンが「歴史上もっとも偉大である」とした両国関係を深化させると誓った。

 9月の中露の対面会談では、中国は、ロシアによるウクライナ侵攻を非難せず、戦争の責めをウクライナに対する西側支援に帰した。

 中国は値引き価格でロシアの石油を買い、西側制裁の効果を弱めている。習近平はウクライナ戦争を交渉で解決するとのロシアの意思を評価すると述べ、中国として危機を解決するのを助ける用意があると述べた。習近平は「和平の見通しはいつでもある。中国は客観的で公正な立場を引き続き堅持し、国際社会を団結させ、平和的にウクライナ危機を解決する建設的な役割を果たす」と述べた。和平交渉は、4月にロシア軍が占領した町で民間人に対する残虐行為があったとの告発の後、崩壊した。

 最近、プーチンは、ウクライナが交渉を拒否していると責任を負わせ、ロシアは戦争を終わらせる用意があると主張している。ただ、ロシアは、ウクライナが南部と東部の州のロシア支配を認める場合のみ交渉を始めると述べ、全ての領土の奪還を交渉の前提条件とするウクライナにはこれは受け入れられない条件である。

 台湾をめぐる習の主張についての西側と中国との戦略的対立関係、技術産業への米国の制裁は、中国がロシアとの関係を切ることを躊躇させている。

 プーチンは中露のパートナーシップは地政学的緊張の高まりの中で安定化要因として益々意義深くなっていると述べ、習は双方は「国際情勢で緊密に調整し協力し、一方的な政策に反対すべきであり、制裁や干渉は失敗する運命にある」と米国を非難して述べた。

 習は2012年に中国共産党総書記になって以来、年一度の首脳の相互訪問を続け、春にはロシアでプーチンに会うと期待されている。プーチンは2022年2月初め、ウクライナ侵攻の2週間前に北京に習を訪問した。プーチンは2022年12月、習へのメッセージを託してメドベージェフ前大統領を北京に派遣した。

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 12月30日、プーチンと習近平はビデオ会談をしたが、この記事はその模様を報じているものである。

 米欧日にも、中国がロシアにウクライナ戦争をやめるように圧力をかけることを望んでいる人がいるが、この記事を読む限り、中国にはそのようなことをする気はないと判断してよいと思われる。

 習近平は、一方的な外交政策に反対であり、制裁や干渉は失敗する運命にあると言ったと言うが、何もしないのに制裁が発動されたのではなく、ロシアが戦争を始めたから制裁が発動されたのである。これを一方的というのは公平でも公正でもない。ウクライナへの侵攻こそが一方的な行為である。


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