2023年2月5日(日)

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2023年1月12日

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土方細秩子 (ひじかた・さちこ)

ジャーナリスト

ボストン大学コミュニケーション学部修士課程終了、パリ、ロサンゼルスでテレビ番組製作に携わり、1993年より米国でフリーランスのジャーナリスト活動を行う。

 「フードテック」、と呼ばれる食料の製造、物流、フードロスの低減などに関わる技術は、CES2023でも大きく扱われるトピックの一つだ。今や世界の人口は80億人に達しているが、国連によるとそのうち24億人が食料不足の危機にさらされているという。食料の安定供給とサステイナビリティは今や世界の緊急の課題でもある。

 フードテックには農業、ロボット調理などのプロセス、人工肉などの素材、地産地消を可能とする物流などさまざまな分野がある。

ジョン・ディア社のマシン

 まず農業分野ではトラクターなどの電動化と自動運転化が急速に進んでいる。業界のリーダーである米ジョン・ディア社は、コネクテッド機能を持つ農作業用および建設用機材を累計で50万台出荷、「全地球の地表の3分の1でこれらが使用されている」という。

 農作業用機材にはデジタルディスプレイ、GPSが搭載され、データはクラウドに蓄積、そこからマシンラーニングにより、より効率的かつ正確な動きがフィードバックされる。昨年のCESで完全自動運転の農業用トラクターが発表されたが、すでに今日それらは実際の農場で稼働している。

 米国では農業就業人口は全体の2%程度で、農作業は天候などに左右される効率の悪い仕事でもある。ジョン・ディアはそこに電動化、自動運転化、データ、マシンラーニングを導入することにより、農地の最大効率化、農業従事者が最小の労力で最大の結果を得られることを支援する。それが結果的に農業離れを防ぎ、食料自給への道を拓くことになる。


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