2024年4月26日(金)

2024年米大統領選挙への道

2023年1月19日

キーワードは「中国」「不公平」「政治化」「不透明」

 昨年の中間選挙で、民主党から多数派を奪還した共和党下院は、バイデン大統領の機密文書持ち出しを徹底追及する構えだ。特に注目される委員会は、下院監視・説明責任委員会と司法委員会である。

 下院監視・説明責任委員会のジェームズ・コマー委員長(共和党・南部ケンタッキー州)は、トランプ前大統領を擁護するMAGA系議員である。コマー委員長は、米FOXニュースとのインタビューで、トランプ氏ではなく、バイデン大統領の機密文書持ち出しの捜査が優先されるべきであると主張した。「トランプ前大統領を標的とした米連邦捜査局(FBI)の家宅捜索は不公平であるからだ」と、その理由を説明した。FBIによるバイデン氏とトランプ氏の扱いが「不公平」であるというのだ。

 下院司法委員会のジム・ジョーダン委員長(共和党・中西部オハイオ州)は、保守強硬派の「フリーダム・コーカス(自由議員連盟)」の共同創設者で、トランプ氏支持のMAGA系議員である。下院議長選出では、ケビン・マッカーシー氏支持に回った。おそらく、マッカーシー氏から司法委員会委員長のポストを約束されていたのだろう。

 同番組で、ジョーダン委員長は、米FOXニュースの番組で、米司法省とFBIが「政治化」していると指摘した。同委員長は、バイデン大統領が、司法省とFBIをトランプ前大統領に対する「政治的武器」に利用しているとみている。

 ジョーダン委員長は、バイデン政権は「透明性」に欠けるとも指摘した。その理由として、バイデン氏が持ち出した機密文書が昨年11月と12月に発見されたが、1月まで公表されなかった点を挙げた。

 上の3人の下院議員の発言から、今後、MAGA共和党は「中国」「不公平」「政治化」「不透明」をキーワードにして、バイデン大統領にダメージを与えていく戦略をとるとみられる。

   
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