2024年7月18日(木)

Wedge REPORT

2013年6月25日

 さすがにスペシャルは遠慮して「ノーマル」を頼んだ。おじさんはもちろん、スペシャル。3分くらいでブタの脳みそラーメンが運ばれてきた。その早さに驚きながらも、目が行くのはどっかりとのった脳みそである。スペシャルを頼んだおじさんには大盛りの脳みそがのっかっているのかと思ったら、ノーマルと変わらない。何のことはない。ノーマルは麺が普通の細麺で、スペシャルは平打ち麺なだけだった。

ラショー名物「Elephant Mountain」。これは、案内役のおじさんが本当に名物だと言っていた

 おじさんは、さっそく脳みそと麺を箸でかき混ぜはじめた。脳みそだけよけて麺だけ食べようという最後の抵抗も諦めて、おじさんがやる通りに麺と脳みそをかき混ぜた。最初にひと口食べてみると、想像の味と実際の味が違いすぎて、思わずすぐにふた口目を食べた。あっさりとしたスープは出汁が効いて醤油ラーメンを思わせるのだが、「脳みその味はどれ?」と全く味がしないのである。私は、ホルモン、レバーなどが好きではなく、どちらかというと、脳みそもそのような味を想像していた。しかし、見事に想像が裏切られた。味がしないのになんでわざわざ脳みそをのせるの? という疑問は残ったが、「ラショー名物」と呼びたくなるほど、ブタの脳みそラーメンは絶品だった。

少数民族の対立に加えて宗教対立も

 このラショーで、我々が発った2日後に宗教対立で軍が出動する事態になったというから驚かされた。田舎町ということもあって、いかにも平穏という印象で、宗教対立があるようには見えなかった。我々も夜中まで、現地の居酒屋でビールを飲んだりしていた。

 事件の発端は、イスラム教徒の男性が、ガソリンスタンドで仏教徒女性に火を付けたことだ。仏教徒の女性は一命を取り留めたが、これを聞いた仏教徒が激怒し、イスラム教徒の住宅やモスクに放火した。こうして事態が拡大して軍が出動したという。

 同じようなことが別の町でもあったという話を聞いた。やはり、イスラム教徒の女性が自転車に乗って、お布施を行っていた仏教徒の列に突っ込んだ。そのせいで少年僧のもっていた托鉢用の壷が割れてしまった。「このまま寺に帰ると叱られてしまうので、弁償してほしい」と少年僧がお願いすると、イスラム教徒の女性は「私のせいじゃないわ!」と開き直った。それを聞きつけた仏教徒がやはり怒って、そのイスラム教徒女性の家に火を付けて、仏教徒とイスラム教徒の対立が激化したという。

ラショーで行く途中で出会ったキノコ売りの家族。彼らはインド系だという。人種が多様なこともミャンマーの特徴

 ミャンマーには、少数民族の対立に加えて宗教対立もあるのだということを実感させられる出来事だった。だからといって、「ミャンマーは危険」と考えてしまっては、世界の動きから遅れてしまうだろう。今回、驚いたのは欧米人が増えていたことだ。昨年も泊まったホテルの食堂は、バイキング形式となり、食材の多くが洋食化していた。ビジネス客ばかりではなく、家族連れや女性など観光目的であろう人も少なくない。

 ネットなどで調べてみると、4日間(ヤンゴン泊2日)で10万円を切るプランもあるようだ。日本の旅行会社もヤンゴンに事務所を開設したというから、徐々に日本人観光客も増えてくるかもしれない。


*関連特集:ミャンマー徹底解剖

WEDGE7月号特集『検証 ミャンマーブーム』
◎更地の「ティラワ」 vs ユニクロも進出検討「パティン」
◎中国と同化進む、パイプラインの街「ラショー」
◎「ダウェー」開発は東南アジアにおける日本の生命線

◆WEDGE2013年7月号より

 

 

 

 

 

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