真面目の勉強している議員は得てして選挙には強くない
有権者ウケを狙い、議員報酬や定数の削減を訴える候補者もいる。確かに、報酬や定数にも議論の余地はある。しかし、単に減らせば、地方議会がよくなるわけでもない。ある市議経験者はこう話す。
「報酬削減は、今でも少ない議員のなり手をさらに減らしかねない。定数にしろ、むやみに減らせばよいわけでもない。周囲から一目置かれ、真面目の勉強している議員は得てして選挙には強くなく、低い順位で当選するケースがよくある。そんな人が定数削減によって落選し、見た目がよいだけだったり、組織票に支えられる議員ばかりになれば逆効果になってしまいます」
私たちが普通に生活していれば、議員に頼みごとなどする機会はない。日々の暮らしに追われ、地方議会への関心など持ちにくくて当然だ。だからとって投票権を放棄していれば、ますます「組織票」議員が幅を利かし、特定層だけが“得”をする地方政治がまかり通ることになる。
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あなたはご存じだろうか。自分の住む地方議会の議員の顔を、名前を、どんな仕事をしているのかを─。住民の関心は高まらず、投票率の低下や議員のなり手不足は年々深刻化している。地方議会とは一体、誰のために、何のためにあるのか。4月に統一地方選挙を控える今だからこそ、その意義を再考したい。
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