ロシアの民主化活動家ウラジーミル・カラムルザが米ワシントンポスト紙に「プーチンは彼の批判者にソ連型の処罰を計画している」との論説を3月13日付で寄稿している。論旨は次の通り。
プーチン政権が復活させていないソ連の異議抑圧の慣行はほとんどない。一連の厳しい新法が特にウクライナ戦争に関し政府を公に批判することを犯罪にしている。政治的反対は今や反逆罪と同一視されている。抑圧的なソ連の慣行だったクレムリンへの反対者の市民権剥奪も近いうちに戻ってきそうだ。
エリツィン大統領(当時)が1993年に承認したポスト・ソ連の最初の憲法は、市民権の剥奪を明示的に禁止した。この規定は今もある。言論の自由や集会の自由を保証する法律もある。しかし、プーチン政権はこの2つの自由を否定している。クレムリンが市民権の原則を、侮蔑をもって扱う事を止めるものは何もない。
クレムリンの法律家は間もなく、市民権の憲法上の保護を形式的に破らずに中立化する方法を考えつくだろう。ロシア議会は帰化したロシア人の市民権の解消の根拠を拡大するプーチン提案について投票を行う。更に、生まれながらのロシア市民にも措置を拡大することも提案されている。
独裁は忠誠を愛国心と同一視する。そのような世界観では、どんな政治的反対者も必ず「反逆者」になり、市民権は政権の気まぐれで褒賞として与えられるか、罰として取り上げられる。ここでもプーチンはソ連の道を辿りそうである。
しかしわれわれはこれがどう終わるか知っている。ソ連崩壊の直前に、政治的理由で市民権を剥奪されたすべての人がその地位と権利を公的に回復した。
作家コルネイ・チュコフスキーは「ロシアでは永く生きなければならない。そうすると何かが起こる」と言ったことがある。彼はわれわれの国で周期的に起こる地殻的歴史変動に言及している。過去数十年、変化のペースは大きく加速した。次の変革はいつでも起こる可能性がある。
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この論説は、特にウクライナ戦争開始後、ロシア国内で締め付けがきつくなっていること、ソ連時代の市民権剥奪という処罰も復活しそうであることを指摘している。そのようになる可能性が高いと考えられる。
ソ連時代には、クレムリンへの反対者を収監する政治的コストが高くつく場合、彼らの市民権を剥奪することが広範に行われてきた。