誰のために「財産」を使うのか
また、「異次元の少子化対策」のための財源はやはり「異次元」とならざるを得ず、例えば、年金積立金の子育て支援策への流用との絡みで付け加えるならば、現在「基礎年金部分」と「報酬比例部分」の二階建てとなっている公的年金保険制度の二階部分を縮小し一階部分を充実することも考えられるだろう。しかし、こうした公的年金の削減を持ち出すと必ず「それは財産権侵害だ!」という批判がなされる。
それならば、その財産権は誰がどう担保しているかを明確にすべきだろう。正直な話、日本は、高齢世代の「財産権」を守るためには、現役世代や将来世代の「財産権」はいくらでも侵害しても構わないという「若者奴隷国家」なのだろうか。
さらに、社会保険料への上乗せは、当然新たな企業負担増をもたらす。
読者の皆さんは、異次元の少子化対策の財源として、実質上「独身税」「子なし税」としても機能する社会保険料に上乗せされる子育て支援連帯基金とか20〜39歳までに課せられるこども保険など新たな負担を増やすのが良いと考えるだろうか。それとも年金積立金の取り崩しが良いと考えるだろうか。
お考えをお聞かせ願えると幸いである。