2024年5月18日(土)

プーチンのロシア

2023年6月13日

 ルージン博士は引き続き次のように論じている。「今日、ロシアの政治エリートたちはミハイル・ミシュスチン首相が次の大統領になるという理解で一致している。同氏は1966 年生まれで、豊富な経験を持ち、納税システムの近代化およびデジタル化を成し遂げ、有能な財務官僚として実績を評価されている)。 

 更にルージン博士はミシュスチン氏以外にも、後継者候補のリストはかなり長いとし、下記表1の人物を候補者としてリストアップしている。

 表1のロシア国営原子力企業ロスアトムのアレクセイ・リハチョフ社長は、暫定的な政府首脳と危機管理責任者の役割を果たす興味深い候補者である。リハチョフ氏は年齢的に適格で、ロシアの原子力部門に通じていることから、ロシアのエリート層や欧米諸国にとって妥協できる人物だとされている。

 戦略的投資プロジェクトとロシアの輸出を担当する国有企業VEBのトップで、元副首相のイーゴリ・シュワロフ氏も、知名度が高く、豊富な経験を持つもう一人の候補者である。

若手の台頭にも〝期待〟

 潜在的かつ有能な後継者は、ロシア支配階級の第二ライン(現政府のメンバー)、さらには第三ライン(国有企業のトップ経営者)から選ばれるだろうとされている。また、ロシアの支配層の若い世代からは、有力な人材が出てきている(表2)。

 ルージン博士は更に財務省出身の若手職員もその優秀さと指導性により大統領候補になり得ると論じて表3の人々をあげている。

 同博士は、これらの大統領候補者はいずれもロシアの政治システムの内部から頭角を現し、全員が非常に若い人材であり、ロシアが本当に再生するのだというメッセージになる。有害な過去を持っていないし、タカ派を含め現役のロシアのエリート層が受け入れることが出来る人々であるとしている。


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