2024年4月14日(日)

日本の医療〝変革〟最前線

2023年7月21日

 出生数反転策として岸田文雄政権は「こども未来戦略方針」をまとめ、「異次元」の施策と唱える。だが、児童手当など「お金」を配るだけで出産が増えるのか。実は「日本の将来が明るくない」から子育てが回避されているのではないか。

(maruco /gettyimages)

 敗戦後間もない1948年とその前後に膨大な団塊世代が生み出された。窮乏生活ながら、未来に「明るさ」を感じたからこそ起きた出産増だった。

 現代の女性たちは、逆に「生活のしづらさ」「不公平な人生」が続くことへの嫌悪感が強い。「明るさ」を灯す手立てはどこにあるのだろうか。

いまだ残る女性の不平等感

 昨年の出生数が77万747人となり、初めて80万人を割った。少子化は加速する一方だ。「こども未来戦略方針」で示したのは、児童手当の所得制限外し、出産育児一時金の増額、時短勤務への給付、小中学校の給食費無償化、育児休業中の給与増、高等教育費の負担軽減などだ。

 断片的な施策の羅列である。主な対象が育児中の働く女性たちに絞られているのではないか。男は「仕事」、女性には「仕事と育児」を背負わせる女性観がよく表れている。性別役割分業の考え方を引きずる。

 これでは出産をためらう女性たちには響かない。少子化を超克するには、働く母親への支援の前になすべきことがある。

 女性たちに出産育児を躊躇させているのは、生きづらさであり、その根底には社会的不公平感がある。ジェンダー不平等である。法制度上の男女差別はかなり少なくなった。だが、実態は異なる。

 選択的夫婦別姓の否定や同一労働同一でない男女の賃金格差は憲法で保障された「法の下の平等」に反する。具体的には家族の在り様として現れる。家父長制とジェンダー差別による男女不平等が「男尊女卑」の家族像として結実している。

 家事・育児への妻と夫の従事時間の大差が端的に示している。妻や母親たちが「ワンオペ暮らし」を強いられ、その上に男性並みの仕事を被されては、家族づくりにNOを唱え、ストライキに入らざるを得ない。


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