2024年11月22日(金)

world rice

2013年11月1日

 収穫後、生産者は殻がついたままのモミ米を、精米業者が所有・運営する5~10万トン容量の大規模な乾燥・保管施設に持ち込みます。生産者自体が同施設を所有していることもありますが、比較的小規模で、乾燥能力や保管の性能も含めて専門的に取り扱う精米業者の施設と比べると、あまり使い勝手が良いとはいえません。

 さて、販売価格ですが、生産者が精米業者に販売した中粒種のモミ米は、1キロ当たり約44円(1ドル=98円)でした。

 精米工程では、カリフォルニアには14社の精米業者があり、年間約100万トンの白米を全米全土や海外に出荷・輸出しています。昨年、精米業者が小売店に販売した白米は1キロ当たり85円。白米の小売価格は、サンフランシスコやロサンゼルスのスーパーで1キロ当たり130円でした。モミ米から白米までの差額は86円で加工・流通コストが非常に安くなっています。精米業者は、企業間競争が激しく、薄利多売がビジネスの基本なのです。

 南米のウルグアイではどうでしょうか。年間約110万トンのコメを生産し、その大半を輸出している同国では大手精米業者4社で生産量全体の約9割を精米、販売しています。

 生産者は、収穫したモミ米を水田から主に精米業者が所有・運営する乾燥所に運びます。乾燥後は、そのまま倉庫で保管されますが、このモミ米を出荷スケジュールに合わせて精米・袋詰めします。

 カリフォルニアと同様で、これが「国際標準」のコメ流通のあり方なのです。日本でも、生産から販売まで専門業者による分業化を進めることで、コスト競争力のあるコメを生産でき、さらに将来的には国際市場でも打ち勝つ商品となるのです。
 

◆WEDGE2013年10月号より










 

 

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