2024年6月17日(月)

バイデンのアメリカ

2023年12月19日

 来年米大統領選に向け与野党の攻防が注目される中、成り行き次第では、米国の民主主義体制が、南北戦争以来の未曽有の危機に直面するとの指摘が相次いでいる。

(Belyay/gettyimages・dvids)

振り返るべきトランプの過激な発言

 2024年米大統領選はもっぱら、バイデン大統領(民主)とトランプ前大統領(共和)との再度の一騎打ちの公算が濃厚となっている。同時に、米マスコミ界では、もし、トランプ候補が再選を果たした場合、米国が中国、ロシア並みの「専制主義体制」に追い込まれるとの危機感がじりじりと広がりつつある。

 「米国は生き地獄(Hellhole)に」(Vanity Fair誌)、「警察国家も視野」(Washington Post紙)、「ファシズムの台頭必至」(英Guardian紙)――。

 今年後半に入り、トランプ氏が次期大統領選共和党候補の指名獲得がほぼ確実視されるにつれて、欧米各メディアでは、ハチの巣をつついたような「第2次トランプ政権=Trump II」登場に対する警鐘が打ち鳴らされている。

 これらの指摘が、あながち的外れでないのは、トランプ氏自身が、集会での演説、SNSなどを通じ、再選を果たした場合の〝公約〟として、以下のような過激で物騒な発言を繰り返してきているからだ:

 「わが国は今日、マルキストたちが牛耳るディープ・ステートの支配下にある。バイデンを頭とする犯罪集団が我が物顔に振舞っている。おかげで偉大なるアメリカは今、衰退途上にある。しかし、われわれは来るべき選挙で必ず、バイデンをホワイトハウスから追放し、彼ら悪漢どもが占領しているわがアメリカを解放することを約束する。……自分は16年選挙で『私はあなたたちの声だ』と宣言して当選した。しかし今日、みんなに約束する、『私はあなたたちのための戦士だ』『われわれを裏切り、悪を犯してきたバイデン政権の一味を裁くための、私はあなた方の正義だ』『あなた方に代わる報復体現者だ』。ディープ・ステートを完全に抹殺して見せる」(2023年3月4日、メリーランド州ナショナル・ハーバーでの演説)

 「史上最悪の大統領ジョー・バイデンと一家は私腹を肥やし、戦争をしかけ、わが国をめちゃくちゃにしている。……わが国にとって最大の脅威はロシアでもなく、中国でもなく、共産主義者やマルキストがはびこるわが政府、民主党現政権、司法省のやつらどもだ。……無実の私を裁判にかけようとしているバイデンら犯罪者たちの集団ディープ・ステートをつぶすには、私をホワイトハウスに復帰させ、かれらを一網打尽に摘発することしかない。……2024年11月の選挙は、われわれが降伏しディープ・ステートがアメリカを破壊してしまうか、それともわれわれがやつら悪魔を退治するかの天下分け目の決戦だ。……われわれが勝利すれば、間を置かずにバイデンをトップとする政府内のコミュニスト、反愛国主義者たちを根こそぎ退治する」(23年3月25日、テキサス州ウェイコでの集会演説)


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