2023年12月1日(金)

バイデンのアメリカ

2023年10月17日

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斎藤 彰 (さいとう・あきら)

ジャーナリスト、元読売新聞アメリカ総局長

1966年早稲田大学卒業。68年米カリフォルニア州立大学バークレー校大学院修士課程修了、70年読売新聞入社。ワシントン常駐特派員を2度務めた後、アメリカ総局長、東京本社取締役調査研究本部長などを歴任。著書に『中国VSアメリカ』『アメリカはカムバックする!』(いずれもウェッジ)がある。

 米大統領選で各共和党候補が指名獲得レースでしのぎを削る中、独走状態のトランプ陣営は早くも、「第二次トランプ政権」発足に向け、政策運営面での大胆な〝青写真〟作りに着手している。もし、その基本構想が具体的な形で実行された場合、国内のみならず、世界を混乱に陥れる危険もはらんでいる。

2024年米大統領選へ出馬を表明しているトランプ前大統領の陣営は、着々と政策の構想を固めている(ロイター/アフロ)

注目される二人のブレイン

 英国有力誌「Economist」の報道によると、政策立案の主な担い手として浮上しているのが、テキサス州フォートワース在住のブルック・ロリンズ女史、首都ワシントンで弁護士事務所を構えるポール・ダンズ氏の二人だ。

 ロリンズ女史は、「全国共和党委員会」(RNC)幹部の間では早くからその存在が知られており、トランプ大統領の在任期間中、ホワイトハウスで「国内政策会議」を主宰するなど、重要な役割を担ってきた。

 トランプ氏が2020年大統領選に出馬した際にも、「第二次トランプ政権」発足に備えた政策立案を主導、敗退後はただちに、24年トランプ再選戦略を見据えたシンクタンク「America First Policy Institute」(AFPI)を立ち上げ、今日に至っている。それだけに、トランプ氏の信頼も厚い。 

 ダンズ氏も、トランプ政権時代に連邦政府人事局首席補佐官としてホワイトハウス・スタッフの選定・登用に重要な役割を果たしてきた。昨年4月からは、それまで培ってきた〝トランプ人脈〟を生かし、ワシントンの保守系シンクタンク「ヘリテージ財団」で次期共和党政権発足に備えた「2025年政権移行プロジェクト」部長の要職にある。

 いずれの組織にも共通するのは、スタッフの層の厚さだ。

 ロリンズ女史率いる「AFPI」には、トランプ政権当時の閣僚8人、政府高官20人を含む172人の有力スタッフが名を連ね、「ヘリテージ財団」ではすでに350人近いスタッフがプロジェクトにかかわっており、「第二次トランプ政権」下でただちに打ち出すべき具体的内外政策や人事について、連邦政府の省庁ごとに検討中といわれる。

 それだけに、トランプ氏再選に備えたブレーン・トラストとしての両者の今後の動向がますます注視されることになる。


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