反軍演説は1940年2月の衆院本会議で民政党の斎藤隆夫議員が、収拾のつかなくなった日中戦争について政府、軍を批判。「10万の将兵が倒れているのに、事変の始末をつけなければならない内閣、出る内閣も出る内閣も輔弼(編集部注:ほひつ、大日本帝国憲法において,天皇の大権行使に誤りがないように意見を上げる行為)の責任を誤って辞職する。内閣が辞めても、護国の英霊はいみがえらない」と厳しく指弾した。
軍部は「聖戦を冒涜する」などと反発、議員の多くは内心では斎藤に拍手を送りながら、軍部におもねて斎藤を除名処分とした。
戦後では、73年12月の臨時国会における福田赳夫蔵相(当時、後首相)の「物価は狂乱状態にある」という答弁が筆者個人としては印象に残っている。社会党(当時)議員と政府側による〝インフレ問答〟のなかで飛び出した発言は、福田赳夫氏を語るときに言及される「狂乱物価」の〝語源〟だ。
予算委員会ではなかったものの、2012年12月14日の党首討論で、民主党の野田佳彦首相(当時)が、野党だった安倍晋三自民党総裁(同、後首相に返り咲き)に対して、衆院解散に応じることと引き換えに、社会保障と税の一体改革の受け入れを迫った迫力あるやりとりも忘れられない。
秋の総裁選へも影響する可能性
26日に召集される通常国会の開会式は同日午後に行われ、29日の予算委員会集中審議をはさんで、30日に岸田首相の施政方針演説など政府4演説、衆参両院での与野党代表質問が31~2月2日まで代行われ、2月5日から衆院予算委員会の質疑に入る。
論戦の模様はテレビで中継される。政治資金規正法違反、派閥解消、解散時期をめぐる憶測、今秋の自民党総裁選行方など、国民生活もかかった多くの政治的動きを包含する通常国会となる。その論戦にじっくりと耳を傾けてみるのも意義深いことだろう。