2024年11月22日(金)

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2024年3月15日

 また、加齢によってビフィズス菌は減少し、悪玉菌の代表である大腸菌、ウェルシュ菌が増える。若くても高脂肪食品の食べすぎや喫煙など、生活習慣の乱れで腸内環境は悪化することから、「腸年齢」「腸能力」という絶妙な呼び名も生まれた。コロナ禍で腸内環境への関心がさらに高まり、「自分の腸年齢を意識し、腸食で腸能力を高める腸活で腸内フローラを改善」するのが、いまのトレンドになっている。

 イモ類や根菜、キノコ、海藻、こんにゃく、穀類など食物繊維が豊富な食材と、味噌、納豆、漬物など発酵食品をたくさん食べる昔ながらの和食は、善玉菌にとって絶好の餌になったが、洋風化で肉食の比重が増えた現代の食生活では、どうしても不足しがち。そこで市販の食品で摂りましょうと、各種さまざまな製品が登場してきた。

 そのなかでも、ブームを何度か繰り返してきたヨーグルトに、「バブル」と呼ばれる戦後最大の爆発的ブームが到来し、現在も進行中だ。

カスピ海ヨーグルトから「発酵」へ

 2000年代に入って最初に流行したのが、「カスピ海ヨーグルト」。名前はなんとなく少しあやしかったが、長寿の研究で知られる京都大学名誉教授、家森幸男が旧ソ連時代にジョージアから栄養分析のため持ち帰り、紹介したのがはじまりで、フジッコが製品化した。多くのヨーグルトではブルガリア菌、サーモフィラス菌、ビフィズス菌が種菌なのに対し、クレモリスFC株から作られ、粘りがあるのが特徴。この粘りが免疫力を活性化させると、注目を浴びた。

 また、2000年にはピロリ菌を抑制する効果があるとされる乳酸菌を用いた「明治プロビオヨーグルトLG 21」が発売されている。このふたつが菌株の能力に着目し、ヒットしたヨーグルト第1号である。

 05年前後から、「植物性乳酸菌」がにわかにスポットライトを浴びた。野菜や豆など植物を餌に増殖する乳酸菌で、これで発酵させるのが漬物や味噌だ。


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