2024年11月22日(金)

2024年米大統領選挙への道

2024年4月3日

「3+1(スリー・プラス・ワン)」のフォーメーション

 今年に入っても、バイデン大統領はペンシルベニア州を4回、ミシガン州とウィスコンシン州をそれぞれ2回訪問した(3月26日時点 図表3)。これらの3州は、同大統領にとって絶対に落とせない重点州であることは間違いない。中でも、ペンシルベニア州は最重点州と言える。戦略上の計算はこうだ。

 バイデン大統領は、ペンシルベニア州の選挙人19を確実に取らなければならない。仮に選挙人15のミシガン州ないし選挙人10のウィスコンシン州のどちらかを落とした場合、選挙人16の南部ノースカロライナ州の選挙人で補足するしかない。選挙人11のアリゾナと選挙人6のネバダのどちらかの1州では不足分を補えないからである。

 しかし、マリスト大学(東部ニューヨーク州)の世論調査(24年3月11~14日実施)によれば、ノースカロライナ州ではトランプ前大統領に3ポイントリードを許している。投開票日まで約7カ月あるものの、この状態が続けば「3+1」の戦略は破綻する。

 選挙人獲得戦略には、ジョージア州やフロリダ州を含めた「サンベルト(南部および南西部の地帯)」の選挙人を獲得する戦略や、西部のアリゾナ州およびネバダ州を中心に選挙人を得る戦略もあるのだが、バイデン大統領は「3(ペンシルべニア州、ミシガン州、ウィスコンシン州)+1(ノースカロライナ州):スリー・プラス・ワン」のフォーメーションを柱にして、今回の選挙に臨むと考えられる。


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