2024年6月20日(木)

食の「危険」情報の真実

2024年4月10日

私たちが知っておくべきこと

――小林製薬が健康被害を公表したのは最初の被害相談から2カ月もたってからだった。この対応に問題はなかったか?

 食品企業には毎日のように健康被害の情報が寄せられる。ただ、食品との因果関係が分からないケースがほとんどだ。

 今回も1例目の情報でその商品が原因と考えるのは難しかっただろう。ただ、2月に複数の被害情報が寄せられたときには因果関係が強く疑われるので、被害の拡大を防ぐためにこのときに公表すべきだった。

――被害情報の公表ルールに問題はないのか?

 3月に厚生労働省が健康食品による被害発生時のガイドラインを改訂している。医療機関や保健所が連携して被害情報を収集する内容だ。このガイドラインでは、因果関係が不明でも、常に最悪の事態を想定して対応することを求めている。国民生活センターのパイオネット(全国消費生活情報ネットワークシステム)のような仕組みが必要との声もあるが、このガイドラインに添った対応をすることが実現可能性は高いだろう。

――紅麹を使ったみそなどで買い控えが起きている。消費者に知ってほしいことは?

 健康被害となった原因物質の特定や汚染経路などがまだなので、不安に思う人がいるのは仕方がない面もある。ただ、小林製薬の「紅麹コレステヘルプ」など3商品は厚労省が廃棄命令を出している。

 また、紅麹原料を卸していた52社に厚労省が求めた自社点検では、期限である3月29日までに健康相談がなかったことが明らかになっている。昔からある紅麹を使った食品と、今回の健康被害は別の問題であることを理解してほしい。

フェイクを見抜く 「危険」情報の読み解き方
唐木 英明:著 ,小島 正美:著 2,090円(税込み)

   
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