2024年11月22日(金)

はじめまして、経済学

2024年6月4日

立場の弱い消費者を守る「権利」と「責任」

 販売者と消費者の情報格差を埋めるために、日本では「消費者基本法」が定められ、消費者の権利(Right)を規定しています。

【消費者の権利】
・「安全」が確保される権利
・「選択」の機会が確保される権利
・必要な「情報」が提供される権利
・意見が「政策」に反映される権利
・「教育」の機会が提供される権利
・適切・迅速に「救済」される権利
・消費生活における基本的な「需要」が満たされる権利
・健全な「生活環境」が確保される権利

 一方、「権利」と表裏の関係として「責任」(Responsibility)があります。消費者の責任については、国際的な消費者運動機関である「国際消費者機構」(CI:Consumers International)によって提唱され、責任ある消費者活動を呼び掛けています。

【消費者の責任】
・「批判的意識」を持つ責任 
・「主張」し行動する責任
・「社会的弱者」に配慮する責任
・「環境」に配慮する責任
・「連帯」する責任

キャンセルカルチャーの流行

 最近では、企業側の生産・流通過程に、環境破壊や人権侵害などの問題があった場合、消費者による「不買運動」が展開される事例が多々見られるようになりました。これは「キャンセルカルチャー」(Cancel Culture)とも言われており、2010年代ごろからアメリカを中心に広がり、日本でも同じような動きが出てきています。

 たとえば、スポーツメーカーのナイキ(Nike)が、「人種差別問題」をテーマにした動画を公開したところ、その内容が不適切であるとしてSNSを中心に不買運動が繰り広げられました。また、アマゾン(Amazon)がCMに起用した人物の政治的発言が問題視され、「#Amazonプライム解約運動」というハッシュタグが作られて不買運動へと発展しました。

 一部の動向に関しては賛否の声もありますが、こうした諸問題は私たちの消費活動と密接に関わっています。商品やサービスの取引については、消費者としてどのような行動を取るのが適切なのかをしっかり考えていくことが大切です。

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