〈無党派層およびトランプ支持派の一部の離反〉
・英誌「Economist」と政治サイト「YouGov」が今回の裁判について行った最新合同世論調査によると、共和党支持者の72%が「アンフェア」とする一方、12%が「フェア」、16%が「どちらでもない」と回答しており、11月選挙では、これまでのトランプ支持層の中の20%前後がトランプ氏への投票を見送る可能性がある。
・トランプ支持層を対象に世論調査機関「Marist」が最近、「トランプ有罪」となった場合の対応について実施した調査結果によると、75%が「有罪となっても自分の投票に影響しない」と答えたのに対し、17%が「トランプ氏に投票する可能性は低くなる」と回答した。
・無党派層については、これまでの多くの世論調査で、バイデン氏がリードしてきただけでなく、トランプ支持に傾きつつあった有権者のうち、25~30%近くが「トランプ氏が有罪となった場合、彼に投票しない」と回答してきた。
これまで米大統領選挙については近年、ミシガン、ウイスコンシン、ペンシルバニアなど接戦州におけるわずか数パーセント程度の票差が勝敗を左右するといわれてきた。
実際、2016年選挙ではトランプ氏がヒラリー・クリントン民主党候補相手に、全米得票総数では600万票近くの差をつけられたものの、これらの州で数パーセント上回った結果、当選を果たした。20年大統領選では、逆に接戦州でバイデン候補が勝利し、トランプ氏は再選を果たせなかった。
今回の選挙でも同様に、ミシガン、ウイスコンシン、ペンシルベニア、ネバダ、ジョージア、アリゾナ、ノースカロライナ各州での接戦が予想されており、最新世論調査では、トランプ氏がわずかにリードしていることが伝えられていた。
しかし、「有罪評決」となったことで、トランプ支持層、無党派層の間で最低でも十数パーセントの票が影響を受けることは必至とみられる。
いずれにしても、多くの米マスコミの間では、来月の担当判事による量刑言い渡しの内容いかんにかかわらず、トランプ氏に手痛い打撃となったとの見方で一致している。