2024年11月27日(水)

バイデンのアメリカ

2024年6月12日

「米国民主主義」と「三権分立」も議題となる可能性

 これに対し、バイデン大統領は「有罪評決」が出された先月30日の当日こそ、「誰も法の上に立つことはできない」「(トランプ氏の今後の運命は)11月の大統領選挙結果次第」との簡単なコメントを出すにとどめていた。

 しかし、その後、トランプ氏の上記のような暴言を受け一転、反論に出た。去る3日、遊説先のニューヨーク州ホワイトプレーンズで支持者たちを前にこぶしを振りあげ、以下のように述べた:

 「わが国歴史上初めて、裁判で重罪犯(convicted felon)となった前大統領が、今また大統領の座を狙おうとしている。それ自体、物騒なことだが、それ以上に看過できないのは、米国司法制度そのものに全面攻撃をしかけ、民主主義を脅威におとしいれようとしていることだ。とにかく裁判の結果が気に食わないからと言って『裁判捏造』説を流布するとは、誰であれ非見識であり、危険きわまりない。トランプが2期目の大統領になったらより深刻な脅威をもたらすだろう」

 このため、第一回討論会では、バイデン、トランプ双方間で、経済、環境保護、移民問題を軸とする内政全般、ウクライナ情勢、中東・ガザ紛争、中国の海洋進出などの外交政策をめぐる応酬のみならず、米国民主主義、三権分立といった国の根幹にかかわる問題についてまで、かつてない激論が戦わされることになりそうだ。

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