解体 ロシア外交

2013年12月19日

»著者プロフィール

 これを受け、ウクライナでのAA署名棚上げに抗議する反政府デモは大規模に拡大していった。独立広場に集うデモ、「ユーロマイダン」はどんどん熱を帯び、特に週末には極めて多くの人数、最大で30万人とも35万人ともいわれる参加者が集結し、抗議デモは現在(12月15日)もなお、続いている。2004年に親米政権(次の選挙で敗北)を生んだ「オレンジ革命」以来、最大の国民のうねりが起きている。そして、今回の運動では、「オレンジ革命」より民族主義が色濃いのも特徴となっている。

ウクライナ反政府デモの様子。事態収束の目処立たず…
(写真:AP/アフロ)

調印を見送った背景
「ロシア」と「ティモシェンコ」

 それでは、親欧米・反ロシア的機構といわれてきた地域機構GUAM(グルジア、ウクライナ、アゼルバイジャン、モルドヴァという加盟国の頭文字をとっている。一時期ウズベキスタンも加盟)をグルジアと共に主導し、2008年にはNATO加盟も現実的だったウクライナが何故、今回のAA調印を見送ったのだろうか。その背景には、国際的事情と国内事情の双方がある。

 まず、一番大きかったのはやはりロシアからの圧力である。ロシアからウクライナの名産品の禁輸措置や天然ガス輸入ガス価格問題での圧力を受けていたが、経済難で困窮していたウクライナにとって、その打撃は極めて大きいものだった。また、ウクライナはIMFからの資金援助を得られなくなったこともあり、頼れるのはロシアだけだったのである。

 また、ヤヌコービッチ大統領にとって、1年3カ月後に大統領選挙を控え、「オレンジ革命」の立役者で政敵であるユリヤ・ティモシェンコ元首相の排除は極めて重要な問題であった。実際、親EUのデモ隊は、「われわれは欧州人だ」「ユリア(ティモシェンコ)に自由を」を連呼しており、ティモシェンコ元首相の影響力が無視できないほどであるのは明らかだ。

関連記事

新着記事

»もっと見る