2024年7月22日(月)

君たちはどの主義で生きるか

2024年7月22日

 人気作家のさくら剛さんが、世の中の「主義・思想」をユーモアたっぷりに、そして皮肉たっぷりにご紹介する哲学・超入門エッセイ。価値観が多様化する現代、人生というダンジョンに地図もなく放り出された私たちは、これからどう生きるべきか?
 第1回では、「相対主義」について取り上げます。
*本記事はさくら剛氏の著書『君たちはどの主義で生きるか ~バカバカしい例え話でめぐる世の中の主義・思想』(ウェッジ)の一部を抜粋したものです。
(z_wei/gettyimages)

 最初に紹介するのは、「相対主義」です。

 唐突ですが、私は一時期、新選組にハマっていました。

 なんと言っても「池田屋事件」がシビれます。京都の警備隊である新選組が、旅館・池田屋に乗り込んで、テロの謀議をしていた尊王攘夷派の志士たちを叩きのめした事件です。

 新選組はなんと、たった4人で大勢の敵の中に斬り込んだのです。戦いの中で沖田総司は病のため吐血、藤堂平助は額を斬られて危機一髪となりましたが、ああもうダメだっ、やられる‼と思ったその時、土方歳三率いる新選組別働隊が到着。長州や土佐の攘夷派志士たちを一網打尽にすることができたのです。

 新選組のドラマや小説で池田屋のシーンが出て来るたび、毎回私は大興奮でした。うおぉ~行け新選組‼ テロリストどもをぶった斬れ‼ ああっ、沖田が血を吐いてる! がんばれ沖田! 負けるな沖田‼ もうすぐ土方さんが加勢に来るぞ‼ ファイト新選組!!!

 ……と、必死に新選組を応援したものです。

 ところが。

 その後、私は一転して、坂本龍馬にハマりました。


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