6つの「不可避な」戦争は、時系列で示されている。(1)台湾統一戦争(2020-2025年)、(2)南シナ海の様々な諸島の領土回復戦争(2025-2030年)、(3)チベット南部の領土回復戦争(2035-2040年)、(4)釣魚島及び琉球諸島回復戦争(2040-2045年)、(5)外蒙古統一戦争(2045-2050年)、(6)ロシアに奪取された領土の回復戦争(2055-2060年)である。
台湾に関しては、中国は、武力行使の手段を放棄したことはなく、具体的時期が示されたことも今まではなかった。偶然ではあるが、丁度、台湾軍が、中国は2020年までに台湾を併合する軍事的能力を有するだろう、と発表したばかりである。南シナ海に関しては、現在のいざこざが戦争に発展することは想像に難くない。3つ目の中国によるインドのArunachal Pradesh州への領有権の主張は、何十年も中印関係の棘であったが、中国がヒマラヤのチベット文化圏のどこまでを勢力圏として主張しているかは、今だ明らかにされていない。
尖閣諸島に対する中国の領有権の主張は、最近よく報道されるので、その状況が戦争に発展するのにさほどの想像は必要としない。直近の中国による防空識別圏設定は、緊張を高めるだろう。
また、モンゴルが清王朝から継承した土地に関しても、中国は領有権を主張している。ロシアの極東地域についても同様で、多くの中国人は、そこはロシアが不当に占拠したものだと思っている。
上記の戦争は、現在の中国の政策で裏付けされたものでもなければ、極端な超国粋主義者の見解にすぎないかもしれない。しかし、戦争によって領土を回復しなければならないという主張は、長い間中国で言われてきたことであるし、中国政府公認の1938年「中国の屈辱」地図は、上記記事が主張する領土と驚くほど一致している。この地図の中国が「失った」領土には、ロシア極東、琉球諸島、台湾及び南シナ海のみならず、韓国、ヴェトナム、カンボジア、ラオス、タイ、ミャンマー、マレー半島とシンガポール、ネパール、パキスタンの一部及び中央アジアの殆どが含まれている。