2024年8月5日(月)

BBC News

2024年8月5日

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は4日、アメリカ製F-16戦闘機の第一弾が届いたと発表した。

ゼレンスキー氏は、空軍基地(場所は非公表)で開かれた式典で、2機のF-16に挟まれながら、「F-16がウクライナに来た。ついにやった」と述べた。

そして、かつては提供をかなりためらいながらも支援した国々感謝した。同時に、さらに多くのF-16が必要だとした。

F-16が提供されたことで、ウクライナの空軍力は大きく高まる。これまでは、主に旧ソヴィエト連邦時代の戦闘機に頼っていた。

今後数カ月の間に、追加供与が見込まれている。一方でゼレンスキー氏は、すべてのF-16を飛ばすには、訓練を受けたパイロットが不足していると述べた。

大統領は、今回何機のF-16が到着したのかは明らかにしなかった。演説ではデンマーク、オランダ、アメリカへの感謝を表明したが、すべてのF-16がその国々から送られたのかも明言しなかった。

F-16をめぐっては、アメリカのジョー・バイデン大統領が昨年8月、ヨーロッパの同盟国に対し、ウクライナへの供与を初めて容認した。以来、北大西洋条約機構(NATO)加盟各国は、約65機を届けると約束している。

F-16は1978年から使われている。西側諸国の軍は現在、古くなった同機から同じくアメリカ製のF-35戦闘機(2015年導入)への転換を進めている。

イギリスはF-16を保有していない。だが、F-16に搭載可能な長距離ミサイル「ストームシャドウ」をウクライナに供給している。

ウクライナでは、F-16は「パトリオット」や「NASAMS」など、西側から供与されてすでに配備されている地対空ミサイルシステムとともに使用される。

F-16は、ロケット弾、爆弾、ミサイルを搭載できるため、ロシアに占領されている地域の奥部や、国境付近のロシア国内の目標に対する攻撃が、理論上はしやすくなる。

また、ロシアの滑空誘導爆弾に対する防御に、F-16が使われることも考えられる。そうした爆弾は今年3月だけで、主にロシアのSu-34戦闘爆撃機から約3000発投下されている。

今後ウクライナが駐機中のF-16を守ることができれば、ロシアの滑空誘導爆弾によるウクライナ地上部隊への攻撃を不可能にできるのではないかと期待されている。

ウクライナは、F-16の一部を外国の軍事基地に駐留させる可能性をほのめかしている。これに対しロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、駐留を認める西側の基地があれば、ロシアにとって正当な軍事目標になると警告した。

専門家らによると、ウクライナの地上部隊はここ数カ月、特に東部ドンバス地方で度重なる攻撃を受けており、空からの支援を必要としている。F-16は、そうした支援を提供する可能性があるという。

クレムリン(ロシア大統領府)のドミトリー・ペスコフ報道官はこれまでに、ウクライナのために飛行する西側製F-16は「撃墜する」と発言。「ただもちろん、(F-16の)引き渡しがあったからといって、前線の戦況に大きな影響はない」と述べている。

(英語記事 Ukraine receives first F-16 fighter jets - Zelensky

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/c03lll8p6p9o


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