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パリ・オリンピック(五輪)で、セーヌ川で泳いだトライアスロンの出場者に体調不良者が出ている。セーヌ川は水質が問題となり、競技が延期されるなどしている。今後もマラソンスイミングなどがセーヌ川で予定されている。
ベルギーのクレア・ミシェル選手(35)は、7月31日に開かれたトライアスロン女子に出場。38位でフィニッシュした。
その後、体調を崩し、ベルギーは5日の混合リレーを棄権した。
ベルギーのメディアは、同選手が大腸菌に感染したと報道。一方、同国チームの関係者はBBCスポーツに、大腸菌には感染していないと述べた。
同国チーム側はまた、ミシェル選手の体調不良とセーヌ川で泳いだこととの関連は、定かではないとした。
ベルギーの国内オリンピック委員会によると、ミシェル選手は選手村のクリニックを訪れたが、病院に運ばれることはなかったという。
同委員会は、どういう病気なのかは明らかにせず、棄権は「選手たちと関係者との協議の結果」決定したとした。また、「今後のトライアスロンの大会の教訓としてほしい」と付け加えた。
一方、スイスのチームは3日、トライアスロン男子に参加したアドリアン・ブリフォード選手が胃の感染症にかかり、混合リレーを棄権すると発表した。
水質改善をアピールしてきたが
セーヌ川の水質の悪さは、大会前と開幕後にも大きな話題となった。水質検査は毎日実施されてきた。
水質の問題から、トライアスロン男子は予定より1日延期されて実施された。混合リレーのスイムの練習も4日、2日連続で延期となった。
混合リレーをめぐっては、選手の準備時間確保のため競技を遅らせるよう、いくつかのチームから要請が出た。だが結局、予定通り5日朝から実施された。
国際競技連盟のワールド・トライアスロンと、パリ2024組織委員会は共同声明を出し、「最新の検査結果では、トライアスロン会場のセーヌ川の水質レベルがここ数時間で改善されたことが確認された。今後に向けた分析では、水質はワールド・トライアスロンが容認するレベルに収まると予想されている」としていた。
セーヌ川では、8日と9日に水泳のマラソンスイミングが予定されている。また、28日開幕のパラリンピックでも、パラトライアスロンの競技が開かれる。
セーヌ川での水泳は、高レベルの汚染と病気の危険性から、100年以上禁止されていた。しかしフランス当局は、大会のレガシーとしてセーヌ川を泳ぐことのできる川にしようと、大金を投じてきた。大会組織委は、約14億ユーロ(約2230億円)が費やされたとしている。
パリのアンヌ・イダルゴ市長は五輪開幕の直前、自らセーヌ川で泳ぎ、浄化活動の成果を強調。検査でも、水泳可能な水質だと示されていた。
しかし、開幕した7月26日と翌27日に激しい雨が降り、水質は悪化していた。