ところが、その後、バンス氏のこれまでの黒人差別、女性蔑視発言がマスコミで大きく報じられて以来、トランプ氏の足を引っ張るかたちとなり、共和党議員たちの間では今なお、バンス氏に代わる別の候補に差し替える案がくすぶり続けるありさまだ。
今後の互いの戦略に注目
さらに、ハリス候補を相手にしたトランプ陣営の戦略立て直しの遅れを指摘する議員も少なくない。
共和党上院議員の一人は「The Hill」に対し、「そのための時間もなくなりつつある」として次のように語っている:
「ハリスは共和党が信じる以上に手ごわい相手であり、本選まで残された時間がないことも彼女を有利にしている。例年の大統領選は両党ともに1年以上の長丁場でやってきたし、それに慣れきってしまっている。ところが、民主党候補が今回、突如差し替わったため、わが党にとっての新たな準備期間はあと数カ月しか残されていない。これに対し、ハリス候補は出馬表明からわずか1週間足らず、民主党全体を一気にまとめ上げ全速力で走り始めた……トランプ選対本部の焦りは隠せない」
それでもなお、トランプ氏がいずれの激戦州において、保守的白人労働者層を中心とする根強い支持を保ち続けていることには変わりない。
今後の課題は、大統領に返り咲いた場合の説得力ある政権構想をいかに早急に打ち出せるかにかかっている。