武器供与を含む軍事支援の内容については、重要な国家機密に属するため公開されていないものが多い。ただし、はっきりしていることは、米台間で十分な協議が行われた上で価格等も決められるのであり、トランプの言うように、台湾が米国に必要な代価を支払っていないというのは事実に反するのだろう。
防衛へ努力重ねる台湾
台湾は半導体生産の技術大国であるが、トランプは「台湾がもともと米国における半導体技術、生産において、米国の維持していた技術を奪った。今や、台湾は米国の犠牲の上に、拠点工場を米国に移した」と述べて、台湾を非難した。その上で、「台湾は防衛費を支払うべきだ。これではわれわれは保険会社と何ら変わりはない」と不満をぶつけている。
台湾の卓行政院長は、近年台湾は防衛費を増強しており、徴兵制度もそれに見合って変えてきており、台湾政府としてはこれからも台湾防衛のために努力する考えであることに変わりはないと強調した。
台湾の総統・頼清徳は7月23日に中国軍による軍事侵攻を想定した台湾軍の大規模年次演習「漢光」の実施に合わせ、東部花蓮にある空軍の基地を視察したと報道されている。総統府によれば、頼は兵士らに対し、「台湾人を安心させるだけではなく、世界にわれわれが国を守る決意であることを示してほしい」と訓示したという。
トランプの台湾非難は、米台間の「台湾関係法」以来の歴史を無視した一方的なものと言わざるを得ない。