朝鮮半島統一へ、日本が準備すべきこと
ただ、北朝鮮崩壊による朝鮮半島統一実現に際しては、日本としても予め準備しておくべきことが幾つかある。
まず、統一朝鮮が何を意味するのかを理解することだ。それは、日本の約6割の面積を持ち、タイより大きい7700万人の人口を抱え、ミサイル能力を持ち核兵器を開発したことがある、中国と直接国境を接する隣国ができるということだ。少なくとも今の韓国よりは中国の顔色を伺う度合いの高い大きな隣国ができることになるのは客観的事実として確実である。
第一に、その中で、崩壊が始まって最初にすべきは、同国内の核兵器、核物質、核関連文書・科学者が拡散しないように抑える、ということだ。課題は、このような不拡散の努力が米中の偶発的戦闘にならないようにすることであり、この問題を中国に予め提起し、事前に必要な調整が出来ればベストだ。
第二は、統一北朝鮮の基本的立ち位置を予めすり合わせておくことだ。論点は、①核の無い「朝鮮半島」かどうか、②米韓同盟・在韓米軍の維持如何、③対中考慮で38度線以北には駐留しない等在韓米軍の配置場所の調整を行うかどうかである。
これらの点については、約15年前に米国の仲立ちで、日韓米の認識をチェックしたところ、概ね同じ考えであったとのことである。それは、①核兵器のない朝鮮半島の実現、②米韓同盟・在韓米軍維持、③但し、配置場所は、ある程度柔軟に対応、ということだった。その後情勢は激変しているので、韓米政府の認識につき再確認することが望ましいだろう。