患者もつくる 医療の未来

2014年1月24日

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 医療機関の窓口で「診療明細書」を全ての患者に無料で発行する仕組みが決まってからまもなく4年になります。

 診療明細書とは、医療機関の窓口で自己負担分を支払う際に、その際の医療費の根拠となる診療内容や薬剤や検査の名称、及び、それらの単価・数量が書かれた明細書のことです。

「全患者へ無料発行」までの道のり

 私は、1990年に医療事故で生まれたばかりの長女を亡くしました。原因は陣痛促進剤だったのですが、裁判の中でも病院側も認めたようにカルテは改ざんされていました。そこで私は、病院から健康保険組合に送られている請求書であり、患者に使われた薬名も書いてある診療報酬明細書の開示を求めたところ、当時の厚生省の指導で患者にも非公開だったのです。医療界の密室性に愕然としました。それから開示運動に取り組むようになり、紆余曲折を経て97年には、患者から請求があれば原則開示する、という見解が通知されました。しかし、請求するためには、患者はいちいち自らが加入している健康保険組合まで出かけていかなければなりませんでした。

 そして2010年の2月には、厚生労働省の中央社会保険医療協議会(中医協:ちゅういきょう)というところで、患者が医療機関の窓口で自己負担を支払う際に、診療明細書を全患者に無料で発行することを決め、同年の4月1日から実施されることになりました。(過去記事「病院の明細書発行は医療透明化の第一歩」参照)

 それは、とても画期的なことと捉えられ、同年4月1日には、例えばNHKニュースでも早朝から、「今日から診療明細書が発行される」ということが再三報じられ、当時始まったばかりだった「あさイチ」という主婦向けの番組でも、その日から始まる診療明細書の発行に関する特集が組まれました。

 しかし、実は、その日から全患者への無料発行を始めていなかった医療機関が多くあり、報道や番組を見た国民はとまどいました。その中には、今だに発行していない医療機関も少なくありません。

「例外規定」の存在

 その理由には、二つあります。

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