解体 ロシア外交

2014年1月31日

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 表1、2は主たるテロ事件やそれに関連する事柄をまとめたものだが、ここに挙げたものはごくごく一部だと言ってよい。特にここ数年は、テロ、警察や秘密機関への攻撃、暗殺などが毎日のように起きており、一日に数カ所で事件が起きる日すら少なくない状況だ。さらに、全てではないが(実は、ロシア当局が自作自演をしているテロや、尾を引いているテロもこれまで少なからずあったことは間違いない)、多くのテロを実行してきた、北コーカサス地方の過激派は常で五輪開催に反対し、それを理由としたテロも数多く実行してきた。

 過激派の筆頭ともいえる独立派武装勢力は、「カフカス首長国」指導者ドク・ウマロフ司令官3が2013年7月3日に「どんな手段を使ってでもソチ五輪を阻止する」と宣言する映像がインターネットで公開されたこともあって、特に昨年から当局はテロ対策を強化していた。それにもかかわらず、最近、特に昨年末からソチ付近での大規模なテロが多発するようになった(表2参照)。

テロ対策も最高レベルに

 表2にあるような昨年末からの状況を受け、同日、ロシア外務省は連続自爆テロをめぐり、「正しいテロとそうではないテロに分けてはならない」とし、強硬なテロ対策をするロシア政権に批判的な欧米諸国を暗に批判すると共に理解を求めた。

 翌31日には、プーチン大統領がテロリスト根絶の戦いを宣言し、ソチ五輪に向けての対策強化を国内外に強くアピールした。さらにプーチン大統領は年明け1月1日には、連続テロが発生したボルゴグラードを訪問し、テロ対策について治安当局幹部らに直接指示しテロ対策に対する強い意志を改めて表明した。

 1月2日にハサブユルトで、イスラーム過激派と見なされた男に対する掃討作戦が行なわれた。男とその妻は射殺されたが、報道では武装兵二人が射殺されたと報じられたという経緯があり、報道されている情報も全て鵜呑みには出来ない。テロ掃討作戦が行なわれても、テロリストが誰一人いなかった例も少なくないという。

3:2013年12月18日にチェチェン共和国のカディロフ首長がウマロフ司令官の死亡を発表したが、これまでもウマロフ司令官の死亡報道は幾度となく流されてきただけでなく、その発表後にこれまで何度も死亡説は流されており、またその後にウマロフ司令官のビデオ声明(撮影時期は不明)がアップされていることから、死亡の真偽は明らかではない。しかも、メドヴェージェフ首相も1月22日に放映された米国のCNNテレビでのインタビューで死亡の可能性は低いと言明している。

4:「地政学上の問題の解決に資するか否かで、テロを『正しい』ものと『正しくない』ものに分けようと試みる者がいる」と外務省は主張している。

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