考えられるトランプの視座
17年の世界との対比を考えると、これらの諸点が思い当たる。世界は、より危険で、より分断され、より生きにくい場所となっている。そうした「異なった世界」に対して、トランプはどのように対応していくのか。トランプが「どうするのか」を考えようとすれば、やはりトランプが持つ視座を考慮せざるを得ない。
トランプからすれば、世界がより危険で、より分断され、より生きにくい場所となっていることは、それに関わるコストとリスクが高くなっていることに他ならない。トランプにとっては、世界がより危険になっているからといって、敵が強大になっているからといって、それに立ち向かうために戦うべきということになるわけではないだろう。
関与と行動を引き出すためには、別の論理が必要である。ミードの指摘の中では、トランプにおける「力のある世界的指導者としての姿を見せたい」との承認要求や「米国の敵は米国が偉大になることを望んでおらず、失敗することを望んでいる」との言及には、関与と行動を引き出す余地があると思われる。