2024年11月22日(金)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2014年3月10日

2)パブリック・ディプロマシ-の努力を強化すること。

 中国が「孔子学院」を通じて行っている宣伝工作に比べ、米国の努力は如何にも目立たない。より広範なアジアの大衆と接触する必要がある。「アメリカンセンター」や「アメリカ文化センター」のようなものを作ることも一つの方法であろう。

3)アジアにおいて自由貿易を推し進めること。

 真に自由なTPPは、米国政府の外交・貿易政策のなかの優先事項として扱われなければならない。

4)地域の安全保障へのコミットメントを維持すること。

 アメリカ経済の立て直しは優先事項ではあるが、そのために安全保障へのコミットメントが犠牲になってはならない。

5)中国の環太平洋多数国間(RIMPAC)の軍事演習の枠組みへの招待を再考すること。

 そのようなことをすれば、参加国を、中国の諜報活動の脅威に晒すことになる。

6)米国として「確固とした信頼しうるプレゼンス」を維持すること。

 言葉の上だけではなく、信頼しうるプレゼンスをこの地域で維持することは、中国に対して、また米国の同盟国に対しても必要不可欠である。中国の経済力の大きさを考えれば、米国のプレゼンスは、軍事的側面だけではなく、外交、経済に跨ったものでなければならない、と論じています。

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 米国の東アジアへのコミットメントを、「アジア回帰」という言葉だけではなく、現実にも「確固として信頼できるもの」としなければならない、と説いている論説です。中国の拡張主義、それに対する米国の反応ぶりについてのチェンの指摘は、説得力を持っています。


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