2025年12月6日(土)

特集:食料危機の正体

2025年9月15日

 「そもそも、政府が関与して野菜の価格を維持することは難しい。今回の『適正な価格形成』も具体的な手法や仕組みに落とし込めていません。うちは9割が契約栽培のため、採算に合う価格でお客様に提案し、5年間で17%値上げさせてもらいました。買い手の理解を得るためには、お客様に喜んでいただけるような付加価値の高い商品開発や6次産業化に取り組むなど、生産者の努力が不可欠です」

日本の農業界にこびりつく
「同質化こそ是」という悪弊

 農業の人手不足が深刻だといわれて久しい。24年の農業経営体数は88万3300であり、農水省は30年には54万まで減ると予測する。

「日本の耕地面積は約427万ヘクタールあり、仮に経営体が20万になったとしても、一経営体あたり20ヘクタール強を耕作すれば日本の耕地面積を維持することは可能です。実際、当社のグループ企業は最低でも20ヘクタールを耕作しています。

 重要なのは、農業の組織化です。管理者は付加価値を高めるための仕事に注力し、現場の作業者は効率的な作業に努め、バックオフィスでそれを支える。役割分担が明確になれば、外国人労働者や高齢者、子育て中の女性など、それぞれのポテンシャルを生かした適材適所の農業経営が可能になり、農業従事者も増えるはずです」

 しかし、日本の農業界では組織化が否定されがちだ。

※こちらの記事の全文は「食料危機の正体 日本の農業はもっと強くできる」で見ることができます。

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Wedge 2025年3月号より
食料危機の正体 日本の農業はもっと強くできる
食料危機の正体 日本の農業はもっと強くできる

ロシアのウクライナ侵攻により、世界的に「食料危機」が懸念されるようになった。それに呼応するように、日本政府や農林水産省、JA農協などは食料危機をあおり、多くの国民は戸惑っている。確かに、担い手の減少や農産物の価格高騰、肥料・飼料の不足など、日本の農業には課題が山積みだ。しかし、新しい技術や発想で未来を切り拓こうという動きもある。日本の農業を強化し、真の「食料安全保障」を実現する方法を提示する。


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