2025年12月6日(土)

勝負の分かれ目

2025年7月12日

 また、米プロバスケットボールNBAでは24年、現役選手が賭博に関するリーグ規則に違反したため永久追放処分になった。海外メディアの報道によれば、スポーツベッティングに加わっていることを知った上で人、自らの体調に関する情報を漏らしたことがNBAの調査で明らかになったという。今年6月には、スポーツ専門局ESPNがリーグの試合に関連する賭博行為に関わった疑いで別の選手が連邦当局の捜査を受けているとの記事が共同通信から配信されている。

 同じ今年6月には、プロサッカーのオーストラリア1部リーグに所属する日本人の檀崎竜孔選手が、スポーツベッティングに関わる不正を行ったとして現地の警察当局に逮捕された。NHKによれば、オーストラリアでは、プロサッカーの試合で、イエローカードやレッドカードを受ける選手を当てる賭博が行われているという。報道によれば、檀崎選手は今年4月と5月の試合で故意に反則をした疑いが持たれているという。

日本でも対策を

 スポーツ選手は自らがプレーに直接的に関与するだけでなく、チーム内の事情なども知りうる特別な立場にあり、それだけに賭博に向けられる目は厳しい。自らの競技ではなくても、日本国内で違法な賭博行為に手を染めると、卓球の五輪メダリストである丹羽孝希選手が罰金刑とともに所属チームの契約を解除されるなど、信頼などを失う代償は大きい。

 読売新聞の記事によれば、「スポーツエコシステム推進協議会」が5月に都内で開催したシンポジウムでは、欧州評議会が19年に発効させた「スポーツ競技の不正操作に関する条約(マコリン条約)」を日本も批准することが提唱されたという。日本の国内リーグや団体なども独自に啓発活動や八百長対策などを講じている。

 スポーツ界が闇社会との接点が生まれるリスクを回避するためにも、常に潔白な立場を堅持していく必要がある。

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